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労働新聞トピックス
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減給は自宅待機より厳しい(2013/04/01)
減給は自宅待機より厳しい
就業規則は、労働条件を制定すると同時に労働者に対する服務規律でもある。労働契約の本旨に従えば、労働力の代償として賃金が支払われる。ただし、一方でノーワーク・ノーペイの原則により、労働力の提供が無ければ賃金は支払われない。労働者が違背行為を行った場合、就業規則の制裁条項によって、その行為の軽重に基づく処分が科せられる。懲戒解雇を頂点に、実害のない始末書提出や戒告まで様ざまな規定がある。解雇に準ずるような不始末に対しては、罪一等を減じて「自宅処分」が科せられることもしばしばある。これにも、事案の軽重によって1週間から最長3カ月に及ぶものもあるが、その間無給だから労働者にとっては厳しい処分ということになる。減給制裁も賃金の一部カットという点では同じだが、こちらは軽度の服務規律違反に対して行われる。ただし、自宅待機処分は長過ぎる場合は、民事上、不法行為を問われるだけで刑事処分の対象とならないが、減給制裁は法条文(労働基準法第91条)によってその範囲が定められ、1事案について1日の平均賃金の半分を超えてはならず、総額も1賃金支払い期における賃金の支払い額の10分の1を超えてはならずこれに違反すると30万円以下の罰金を科せられる。この差は、減給処分が既往の労働力を提供し、賃金債権が発生したものを減ずること、労基法第24条に定める「全額払いの原則」に違反することによる。軽すぎるとお感じのムキは、賞与も同様の規制の下で減給できるから、一考して欲しい。