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A社会保険労務士法人

足立 徳仁 先生 -Norihito Adachi-

事務所の沿革
A社会保険労務士法人として法人化し今年で10年を迎えました。法人化する前は、両親と私が社会保険労務士、事務として社員3名の事務所で、人口8万人のエリアを中心に営業をしている社労士事務所としては、当時でもそれなりの規模ではあったと思います。法人化したきっかけは、となりの町で開業されていた社労士さんが病気のため事業の継続が難しくなり、その事務所を引き継ぐ形で2拠点になったからです。

当時クライアント訪問時に、社労士人生に影響を与える言葉がありました。

「足立君はいつもお金を払う話しか持って来ないな…」
企業の成長のために業務を行っているつもりでしたのでショックな言葉でした。労働保険、算定基礎届、賞与支払届等、私たちが定期的に行う業務は、適切に社会保険料の納付を行うためのものであり、それ自体も大切な仕事ではあるのですが、定期的な仕事を行うだけではすべてのクライアントに喜んでもらうことは難しいと感じました。

そこでまず考えたのが積極的な助成金の提案でした。法人化と共に助成金だけを提案する助成金部門を立ち上げ、給与計算や手続きを行うスタッフとは別に助成金だけを提案するための人員を配置し、スタートしました。しかし、当初の3年は何を提案してよいのかわからず、十分な成果をあげられませんでした。このままではまずいと感じ、3年目の2015年より、助成金を上手に提案なさっている社労士事務所を何件か訪問し、ノウハウを共有いただき、まずは真似することから始めました。見様見真似で多くの企業に提案するうちに、スタッフにも自信が芽生え、喜んでいただける弊社の商品となりました。成功したとまでは言えませんが、今ではコンサルティング事業部として9名のスタッフを抱える部署となっています。要因としては、ベンチマークとなる社労士事務所を見つけることができた、地域性にあった商品提供ができたということになるのかと思います。

また、助成金以外でも出来るだけ弊社から提案をしていけるように、「採用支援」「補助金」「DX化の支援」といったことをコンサルティング事業部から発信することで、他の社労士事務所との差別化をはかることができています。そのようなこともあって、現在では京都府内に4事務所、総勢28名の事務所となることができました。

商品づくりについて
社労士が顧問先を獲得するうえで必要なのは、企業や社会が望んでいるサービスを開発し提供できるかどうかだと考えます。社会保険労務士としての知識と個人の経験を活かし、自分の事務所として企業貢献できる商品を作っていく。そして、その作り上げた商品を多くの企業に知っていただくことが必要だと思います。商品開発の際には、中企団様のらくらく診断などは発信もしやすいため非常に助かっております。

自分が得意だから商品にするのではなく、ニーズがあるから事務所として取り組み、諦めずに提案し続けるから得意になり事務所の武器になる。今後も企業が求めていることを調査し、社労士としての強みを生かしていける商品開発を行っていきたいと思います。

社会保険労務士として成長するために
今、組織化した社労士事務所が多く出来てきています。他の業種と同じく、多くのスタッフを抱え、効率的な運営の中で、品ぞろえ豊富なサービスを広域に展開される社労士事務所も増えてくると考えています。またその逆で、地域に根差し、自分という個の魅力で信頼を勝ち取り顧問先を獲得していく社労士事務所のニーズも必ずあるので、大きな意味での二極化が進んでいくのではないでしょうか。

いずれにしても企業数が減り、社労士の人数は増えているわけですから、我々は他の社労士さんより多くの情報を集め、多くの情報を発信していく必要がありますし、そのような社労士事務所が望まれているのではないでしょうか。

自分自身の知識なんて限界があります。今後も中企団様の社労士高度化事業を活用させて頂き、情報収集し自社の商品として発信していく中で、地域企業とそこで働く人の成長を支援していきたいと思います。

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